【読書感想】学問のすすめ

題目 現代語訳 学問のすすめ
著者 福沢諭吉(訳:斎藤孝
出版 ちくま新書

要約
 人は皆平等で、学問の有無によって差が生じる。学問を通じて個人が形成され、その個人が集まって国家が形成される。そのため、個人、国家がより豊かになるためには学問を積極的に行うことが必要である。
 世の中で独立したと認められるのは、住居を得て、手に職を持ち、食に困らなくなることではない。学問を納め、世のため人のために貢献できるようになって初めて独立したと言える。
 では、学問とは何を行えば良いのか。学問の内容は実践的である必要があり、いくら本を読んでもその内容が実際に活かされるものでなくてはならない。本人の糧になっていない、または実生活に活かせていないとなると、それは学問をしているとは言えない。経済学、物理学だけでなく、人付き合い力、判断力、計画力等、日常で必要とされる様々な能力に向き合い、高め、実生活に活かすことができて初めて学問を納めたと言える。
 日本が西洋の国々に負けない国力を手に入れるためには、まさに学問が必要とされており、国民の一人一人がこのことを自覚して取り組まなければならない。

 

感想

 当時の時代背景がありありと伝わってきて、明治時代の人々がどのような志を持って生きていたのか、または生きようとしていたのかが想像できた。また、今の日本があるのは、著者の福沢諭吉をはじめとし、当時では何歩も先の存在であった西洋を横目に見ながら愚直に学問に取り組んできた人々のお陰なのだと心が熱くなった。
 本書を通じて、学問が全ての土台になるのだと改めて感じた。学問が個を豊かにし、国も豊かにする。今の日本では積極的に学問に取り組めている人は多くいるのだろうか。これから日本が成長していくためには、学問の大切さについて改めて国民全員が再認識し、共通認識を持って取り組んでいく必要があるのではないかと思った。